祈りと聞くと、宗教を思い浮かべるかもしれません。
でも祈りの本質は、宗教とは関係ありません。 祈りとは「自分の力だけではどうにもならないことを認め、より大きなものに委ねる」という意識の行為です。
ヨーガ・スートラの「イーシュワラ・プラニダーナ」は、 文字通り「完全に下に置くこと」。 自分の意志、計画、コントロールを、大いなるものの前に置く行為です。
これは弱さの表明ではありません。 むしろ、最も強い人間だけができることです。
「全部自分で何とかする」と思っている人は、 実は一番弱い状態にいます。 なぜなら、すべてを自分で背負っているから。
「ここまでは自分でやった。あとは委ねる」 これが祈りの本質であり、最も健全な力の使い方です。
宗教的な祈りでなくていいのです。
朝、目が覚めたとき。 「今日一日、流れに委ねます」と心の中で言うだけ。
大事な会議の前。 「全力を尽くした。結果は委ねます」と一呼吸置くだけ。
夜、眠る前。 「今日一日の出来事を、手放します」と目を閉じるだけ。
これだけで、心の荷物は少し軽くなります。 委ねた瞬間に、力みが抜け、本来の自分に戻る。
祈りは弱者の行為ではなく、 自分の限界を知る強者の行為です。